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2018年3月14日水曜日

風邪とインフルエンザはどうやって見分ける

Question

風邪とインフルエンザはどうやって見分ける

Answer

インフルエンザという病気は古くからあったようで、人類はこれまでに何度もインフルエンザの流行を経験してきました。

第一次世界大戦の最中に世界中で大流行した「スペイン風邪」、19 世紀末から印世紀の初頭にかけて多くの日本人の命を奪った「旧アジア風邪」「旧香港風邪」なども、今では風邪ではなくインフルエンザだったことがわかっています。

考古学の世界では、紀元前4世紀にインフルエンザが流行した記録が残っているといわれていますから、人類とインフルエンザの付き合いは非常に長いといえるでしょう。
しかし、インフルエンザウイルスが発見されたのは1933 年。インフルエンザの正体がわかったのは、実は人類の歴史から考えると「つい最近」のことなのです。

長い間、インフルエンザの正体がわからなかったのは、インフルエンザという病気の存在に気がつかなかったからです。今でこそインフルエンザが風邪とは異なり、ウイルスによって起きる病気であることは誰でも知っていますが、風邪とほとんど症状が変わらないため、インフルエンザという病気が別に存在するとは考えなかったわけです。

20 世紀に入るとインフルエンザウイルスが発見され、インフルエンザと風邪が違う病気であることがはっきりしましたが、この両者を見分ける方法は長い間ありませんでした。では、医者はどうやって風邪とインフルエンザを見分けていたのかというと、実は「経験と勘」です。現在はバイオテクノロジーの発達によって、鼻の奥に綿棒を差し込み、そこに付着した体液からインフルエンザウイルスの有無がわかるようになりましたが、この検査法が生まれたのはほんの数年前。それまでは科学的に区別する方法がなく、熱が高かったり、激しい関節痛や筋肉痛がある場合はインフルエンザ、症状が軽いときは風邪といった具合に、医者は「経験と勘」を頼りに診断していました。

「経験と勘」というと不安になるかもしれません。「誤診だったらどうするんだ」と思う方もいるでしょう。しかし、たとえ誤診があったとしても、風邪とインフルエンザの場合はそれほど問題にはなりませんでした。というのは、たとえインフルエンザとはっきりわかったところで、特別の治療法があったわけではないからです。

現在は、ウイルスに効果のある抗ウイルス剤が使われていますが、この薬ができたのもほんの数年前のこと。それまでは、患者の症状によって解熱剤や鎮痛剤、睡眠剤l などを処方していただけだったので、たとえ誤診があったとしても、ほとんど影響はなかったのです。

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